嫁と姑

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いまさら申しあげるまでもなく、姑と嫁はかつて一度も純粋に愛情をもち合った仲ではないのです。その上またお互いに本能的愛情を持ち合うための自然の条件lつまり血のつながりもない間柄です。それにもかかわらず、この姑と嫁は愛し合うことが望ましいとされるのです。とりわけ、その中間に立った夫の立場から、ふたりがほんとうの親子のように愛し合ってくれたらと望まれる間柄です。こう考えてきますと、嫁と姑の間ほどむずかしいものはありません。何らかの感情の摩擦、お互いの誤解、つまりトラブルの起らないのが不思議なくらいの間柄なのです。がそうかといって、このふたりの女性の間にトラブルが起ることは夫にとっていちばんやりきれないことです。ほうっておくわけにはゆかないことです。嫁に対してはこういいましょう。あなたがたもいずれは姑になる日が来るのです。いつまでも若いわけではないのです。もし私がいま姑の立場に立ったとしたら、現在の私のやり方、考え方を、いったいどういうふうに考えるだろうかIこれを、いつぺん想像のなかで描いてほしいのです。他人の立場に立って考えるのには、人間は空想力を第一の条件とするものですが、あなたがたはこの空想力をおもちでしょうか。多分もっていらっしゃると思います。あなたがたはまだ若をしい生命の持ち主なのですから、空想力をもち得ることは若さの特権なのですから。嫁も姑も、できるかぎり空想力と回想力を働かせ合って、お互いのちがった生活感覚を理解するように努力すること、それ以外に嫁と姑との間を円満にさせる方法はないと思います。自分の経験したこと、自分の考えていること、これだけを絶対的なものとして固執しないことです。これからここで、出会う結婚相手との関係が難しくなったとき、この話を思い出してください。

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